ウェブ制作スキルと無料ツール代行の仕事

ざっくりと「ウェブ関係の仕事」とか「ホームページを作る仕事」とか言われますが実は見た目は同じようなものでも作り方が全く違っていたりコンセプトが違っていたりします。以前プロジェクトから見たウェブ制作と無料ツールのお話を書きましたが今回は「ウェブ関係の仕事」とか「ホームページを作る仕事」をしたいという方に向けてスキルとしてどのような違いがあるかを書いてみます。

HTMLなどの言語を学ぶメリット|ウェブ制作スキル

バージョンアップしていて移り変わりが早いとはいえ、無料ツールを覚えたというのとHTMLを覚えたというのでは応用の利き方が違ってきますね。例えばある無料ツールの使い方を覚えたとしましょう。最初の学習コストも抑えられる反面、マネタイズが大変だったり、応用が効かなかったり(他のツールを使う時はにているところもあれば違うところもある)と言ったデメリットもあります。対してHTMLやCSS、JavaScriptなどの言語は世界中で使われていてブラウザで表示されているものはほぼこれで動いていると言っても過言ではありません。さらに言えば無料ツールの下で動いているのもHTMLだったりして、独自HTMLの追加、編集画面がついていることも少なくないのです。こうして整理してみるとそれぞれにメリット・デメリットがあることがわかります。こうした違いを認識して何を学ぶべきかを選ぶのが大切ですね。

無料ツール代行という仕事

これは意外とある仕事のようです。私自身無料ツールを代行するというのは10年ほど前に1度頼まれてやったかなというくらいの経験なのですが、いくつか特徴があるので挙げてみます。

◆メリット
・入口は広くハードルは低い
・短時間である程度色々できるようになる
◆デメリット
・マネタイズがしにくい
・凝ったことをすると結局言語の知識が必要になる
・ツールの機能が増えたり意外と複雑なのでバージョンアップで画面が変わると覚え直しになることも

これらの中で一番個人的に気をつけたほうがいいというか、よく皆さん考えてみてくださいというところが「マネタイズがしにくい」というところです。
これについては以下のような状況をよく見ます。

予算がないので無料ツールでプロジェクトを進めている

無料ツールを使うのが面倒になり外注を探す

受けられるのは勉強中or学生さんのような立場の方がほとんど

公開後のメンテナンスも予算が取れないため行われず放置される

プロジェクト自体が終了に

厳しいことを言ってしまえば、予算どりも出来ていない状態でプロジェクトを立ち上げ、なんとか安く済ませようという意識が最初からあるんですよね。そしてこの「なんとか安く済ませよう」という意識はとても怖いもので、仕事だけではなく家族や友人にも同じ意識で生活していることが多いんです。そうなると結局うまくいく可能性は低いですよね。新しく何かをやるというのはエネルギーが必要です。そして周りの協力も必要です。無料ツールは昔からありますし、一時G社も無料ツールとコラボしたり自社でサービスを出したりしていましたが未だWordPressが世界のシェアをとっているというのもこの無料ツールビジネス自体のマネタイズが決して容易いものではないことが想像できます。無料というのは物を売っているとは言えないんじゃないかな。。。と最近よく思うようになりました。安売りのセールも似たようなことが言えますが、スキルを勉強するとき、仕事を受ける時にはこのような背景を想像してみると本質が見えてくるかもしれません。

WordPressの既存テーマ構築とオリジナルテーマ構築

WordPressも実は無料、有料の型(テーマ)というものがあり、写真、文章を差し替えて少しアレンジする既存テーマ構築と0からHTML+CSS+JavaScriptなどの言語を使って作成するオリジナルテーマ構築があり、これも前述のウェブ制作と無料ツール代行に近い世界観だと思います。

一点大きな違いとしてはプラットフォームとしてのWordPressはかなり大きく、オートマティック社という会社がリーダーシップを取りながらもコアのシステム開発はオープンソースというボランティアのプログラマが世界中から参加して開発している体制のため、1社で開発している無料ツールとはつぶれにくさ、使われなくなるリスクは低いと思います。

スキルとしてどう考えるべきか

これはPCの仕事に限らずですが

・難易度が高い
・参入障壁が高い
・めんどくさい
・みんながやりたがらない
・付加価値が大きく出る

などの要素を持つスキルは長期的な視点から見ても、マネタイズの視点から見ても有効なことが多いですよね。それを加味するとウェブ制作が出来そうなら身につけたほうが良いでしょうし、さらに開発やインフラ周りができればなお強いと思います。無料ツールは良くも悪くもツールに依存したり、プロジェクトに依存したりする部分が大きくなるのでリスクはどうしても高くなってしまう印象がありますね。また一番気をつけなければならないのはマーケットの質というか前述のような客層の背景が違うというところです。ネット上では簡単に稼げるという甘いコピーで情報が溢れていますが逆の立場に立って考えればわかりますよね。着実な道を進めば着実に成果も出ます。お客さんや会社を選べるくらいのスキルを身につけていけたらそれが何よりだと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました